薬品としても使われる万能野菜
アフガニスタンから世界各地に分散した人参は、根菜類の中でもひときわ知名度の高い野菜として知られています。じゃがいもにこそ及びませんが、洋の東西を問わず食用のみならず薬用としても高く評価されてきました。

日本に伝来したのは16世紀頃ですが、東洋の品種は栽培に向いておらず、現在では西洋系の甘い品種が頻繁に料理に使われています。旬は晩秋から冬にかけてとそう長いものではありませんが、品種改良が進んだため現代では一年中食べられる食材として店頭に並んでいます。
栄養素
緑黄色野菜の代表格でもある人参はカロテンを多く含むことで有名です。ニンジンは英語で”carrot”と言いますが、カロテン(”caroten”)の語源はここからきています。また人参にはビタミンAも豊富に含まれており、1/2本で1日分のビタミンAが摂取出来るほど。視力回復によいとされるビタミンAを摂取するのにこれほど手軽な野菜は他にありません。
ビタミンBやC、カルシウム、鉄分なども含まれており、ビタミンA以外の栄養素も十分に豊富な野菜と言えます。また人参は根を食べる野菜ですが、葉の部分にもたっぷりと栄養素が含まれています。タンパク質は根の部分のおよそ3倍、カルシウムに至っては5倍、鉄分も多く、もし葉がついたまま売られている人参があるなら細かく刻んで常備菜として置いておくのも良いでしょう。
調理法
にんじんの皮には特に栄養がたくさん含まれています。農薬がついている場合は気を付ける必要がありますが、そうでないならきちんと洗って皮ごと調理しても良いでしょう。
カロテンは脂溶性ですので、油と一緒に炒めると吸収効率は5~6倍まで跳ね上がります。きんぴらごぼうや油炒めにすると、少ない量でより効率的に栄養を摂取できます。
生の人参にはビタミンCを失活させるアスコルビナーゼという酵素が含まれているため生食は好ましくないと言われていますが、「きゅうり」の項で触れた通り、実はさほど気にする必要はありません。酸化型ビタミンCは体内で還元型ビタミンCに戻ります。ですから、生のニンジンをジューサーにかけて野菜ジュースにしてしまうのも、決して悪い調理法ではありません。
レシピ
にんじんとしらす
お弁当のおかずにも最適な一品です。
- ニンジンを細切りにする(スライサーやピーラーを使っても良い)
- フライパンにごま油を引き、ニンジンとシラスを炒める
- 2にめんつゆをふりかける
これだけの非常に簡単な手順で作れます。油でいためることでニンジンのビタミンAやカロテンの吸収効率を高め、同時にシラスのカルシウムも一緒に摂ってしまおうという欲張りな一品です。
味付けにはめんつゆやしょうゆを使いますが、シラスについている味そのままでもやや薄味ながら美味しくいただけますので、塩分を抑えたいならそれでも良いでしょう。