飢饉対策の根菜
甘藷、琉球薯など様々な呼び名で知られる「サツマイモ」。根菜の中でもひときわ甘く、おやつ代わりとしても人気のある野菜ですが、実はアサガオやヒルガオに近い品種であることはあまり知られていません。

日本に持ち込まれたのは16世紀後半、江戸時代が始まる直前の頃のことでした。栄養豊富で風害にも強く、水はけのよい火山灰土でも良く育つことから、九州地方を中心に盛んに栽培されてきました。飢饉などの非常時には、穀類の代わりとして食べられるさつまいもは貴重な栄養源としてもてはやされました。
栄養素
じゃがいもと同じようにでんぷん質が豊富なので、エネルギー源としては穀類に次ぐものがあります。また、じゃがいもと同じようにビタミンCは加熱してもなかなか壊れず、カロリーとビタミンC、食物繊維を摂取するのにこれほど適した野菜もありません。
ただし、米と違ってタンパク質はあまり含まれていないことに注意しましょう。タンパク質不足により栄養失調に陥る人は決して少なくはありません。動物性・植物性タンパク質不足を補うため、豚肉などの肉類やタンパク質の多い大豆などを一緒に食べると安心です。
調理法
さつまいもにはでんぷんを麦芽糖にするβ-アミラーゼという酵素があるため、酵素が活発に働く60℃前後でゆっくり時間をかけて加熱調理すると甘みが増します。(石)焼き芋などの調理法がメジャーなのはこのためですが、残念なことにβ-アミラーゼは糊化したでんぷんにしか作用しません。電子レンジによる急速加熱では甘い焼き芋が出来ないのはこのためです。
煮物などの料理に使う場合は、じゃがいもと同じように水にさらしてアクを抜くのがコツです。特に煮物料理のようにだし汁の味を染み込ませたい場合はきちんとアクを抜いておきたいところです。また、葉や茎も食用に出来ます。炒め物やてんぷらにすると美味しくいただけます。
レシピ
大学芋
- 一口大、大きくとも二口で食べられる大きさにサツマイモを切る
- サツマイモを水にさらしたのち、キッチンペーパーで水気を切る
- はちみつ100gに対して水大さじ1、砂糖と塩を適宜入れて、沸騰するまで弱火で煮詰める
- サツマイモを油で揚げ、2のたれをボウルの中で絡め、黒ゴマをふる
これで簡単な大学芋が作れます。サツマイモは大きさを揃えるように切れば油で揚げたときの火の通りも良くなるので、大きさは統一すると良いでしょう。
子供のおやつとしては焼き芋の方が喜ばれそうですが、甘いたれを絡めた揚げたての大学芋の美味しさもまた、格別です。