夏から秋まで美味しい紺色の野菜

原産地についてはインドの東部とする説が有力です。
日本に入って来たのがいつ頃かは定かではありませんが、インドから中国を経由して入ってきたナスは奈良時代にはもう栽培されていたようです。日本のみならず世界各地で独自の品種が育てられており、縦に長い長ナスや丸く膨らんだ米ナスなど、そのバリエーションは多岐にわたります。
ナスの旬は初夏から晩夏までですが、秋ごろでもまだ美味しくいただくことは出来ます。「秋ナスは嫁に食わすな」ということわざもありますが、古い時代の暦を現代に置き換えるとちょうど夏頃ですね。このことわざには「身体を冷やすから食べさせるべきではない」といった意味合いも含まれています。夏場にはちょうどいいんですけどね。
また、日本ではお盆にナスときゅうりを使ってお供えをする風習があります。きゅうりの馬とナスの牛はそれぞれ精霊馬・精霊牛と呼ばれ、ご先祖様が行き来する乗り物という意味合いがあります。
栄養素
ナスの成分の93%は水分と糖質です。栄養価自体はあまり高くなく、低たんぱく低カロリーの野菜として知られています。ビタミンに関してもAやB1、B2、Cを含んではいますが、どちらかといえばカルシウムやカリウム、β-カロテンなどの含有量に期待が持てるところです。
ナスの栄養素として最も注目されがちなものは何といってもポリフェノールでしょう。ナスの紫色はポリフェノールの一種である「ナスニン」という色素によるもので、鉄やアルミニウムに反応して鮮やかな紺色に染まります。また、天然色素のポリフェノールの一種であるアントシアンが豊富に含まれているため、抗酸化作用や疲労改善に効果的です。
調理法
ナスの栄養素を引き出すにはやはり「焼きなす」が良いでしょう。β-カロテンは油と一緒に吸収することで吸収効率が良くなりますし、皮付きのまま焼くことでポリフェノールをたっぷり摂取することが出来ます。
普通の調理に使う場合は、ヘタを取り、しっかりとあく抜きするのを忘れないようにする必要があります。ただし最近のナスは品種改良が続いたおかげでほとんどアクがないものも多く、そのまま皮ごと食べても美味しくいただけます。アク抜きをするとしても、切ってから数十秒水につけるだけで十分でしょう。
煮物料理ですとかぼちゃとの食べ合わせが良く知られていますが、これはナスのβ-カロテンとかぼちゃのビタミンC、ビタミンEの相乗効果による抗酸化作用の高まりが期待出来るためです。揚げびたしやなす味噌として一緒に食べるのが良いでしょう。
レシピ
ナス・ベーコン・トマトのパスタ
夏野菜であるナスとトマトで美味しいパスタを作りましょう。
- ヘタを取ったナスを半月切りにし、数十秒ほど水にさらしてあく抜きをする
- オリーブオイルでニンニクを炒めて香りづけし、中火にしてからナスを入れて軽く炒める
- オイルを足しながらベーコンを入れ、焼き色がついたらナスと一緒に別の皿に取り分ける
- フライパンに刻んだ玉ねぎを入れ、玉ねぎが透明になったところでホールトマトを入れて煮詰める
- コンソメや塩コショウなどを適宜使い、ソースに味付けをする
- 茹で上がったパスタに6のソースを加え、取り分けておいたナスとベーコンを混ぜる
これで美味しいパスタが出来上がります。栄養豊富な夏野菜を中心に、栄養価のあるニンニクなどでフォローしつつ、ベーコンでしっかりタンパク質も取れる夏の一皿です。
ただし、ニンニクの匂いも強いので、人と会わない日の御馳走といった位置づけで定番メニューに加えるのがいいのかもしれません。