鍋物の主役、白菜
アブラナ科アブラナ属の二年生植物である白菜は、鍋物の主役として広く親しまれています。原種は紀元前中国に始まり、様々な野菜の元となりました。今でこそ結球性の葉菜類として知られていますが、かつてはシロナのように丸まらない種が多かったようです。
精進料理の世界では冬の健康維持に欠かせない三つの食材を「養生三宝」と呼んでいます。消化器官を安定させる成分が多く含まれる白菜は、豆腐、大根と並ぶ養生三宝の一つとして古くから珍重されています。
とはいえ日本で今の形の白菜が栽培されるようになったのは20世紀に入ってからで、それまでは品種の維持が出来なかったと言われています。日本での生産量はダイコンやキャベツに次ぐ第三位と言われる白菜も、実は国内での栽培の歴史は非常に新しいのです。
この野菜の特徴は何と言ってもカロリーの低さでしょう。野菜の食物繊維でカサ増ししたい時にこれほどありがたい食材はありません。煮込んだり漬物に使うと柔らかくなり、歯ざわりも良いため重宝されます。
栄養素
白菜の成分はその95%が水分だとされていますが、ビタミンCやカロテンを筆頭に、ミネラル・ビタミン類が非常にバランスよく含まれています。
食物繊維も豊富ですので、前述のように胃の調子を整えるのには最適な食材です。旬である冬以外はなかなか手に入らない野菜ですが、積極的に使っていきましょう。
また、抗がん作用があると言われているイソチオシアネートがたくさん含まれており、昨今ではがん予防が期待出来る食材として注目を集めています。アメリカの研究ではアブラナ科の野菜を食べる量と乳がん患者の生存期間に相関性があることが分かっており、今後も研究が進んでいくことでしょう。
調理法
白菜のビタミンは水溶性のものが多いため、ただ茹でるのは調理法としては望ましくありません。鍋物やスープなど、栄養分の溶け出した汁も飲めるような料理に使うと良いでしょう。
白菜は生のままでもそのまま食べられますが、洗ってざく切りにするだけですぐ鍋物に放り込める状態になりますので、ほとんど包丁を握ったことのない人でも安心して料理にお使いいただけます。
長時間加熱すると壊れてしまうビタミンCをたくさん摂取したい場合は、浅漬けやキムチなどの漬物に使うのも一つの手です。
レシピ
ミルフィーユ鍋
白菜のレシピとして注目を集めているのが、野菜とお肉を交互に重ねるミルフィーユ鍋です。豚肉に含まれるビタミンB1などの栄養素と野菜の栄養をバランスよく摂取出来るうえ、お手軽に作れてご飯が進むため、お料理初心者や一人暮らしを始めた学生の強い味方になるでしょう。

- 一枚ずつ剥した白菜と豚肉を交互に重ね、鍋のふちに沿って敷き詰める
- 鍋の中央付近まで埋まったら、真ん中のくぼみに細切りにしたネギやもやしを加える
- 顆粒のだしをふりかけ、水と醤油を適量加えて火にかけ、沸騰したら蓋をして煮る
これだけで完成します。安い豚バラと非常に安い白菜で美味しいミルフィーユ鍋を作れば、冬の夜は万全です。残った汁にはうどんや餅を加えても構いませんし、ご飯と溶き卵で雑炊にしても美味しくいただけるでしょう。
なお、ミルフィーユ鍋の「ミルフィーユ」とは、フランス語で千(”mille”)と葉(”feuille”)を意味します。千枚の葉が重なっている状態を想像出来る名前ですので、何層も生地を重ねたケーキのことを一般にはミルフィーユと呼んでいます。