忙しい生活と野菜は両立しない?
そろそろ本講座のまとめに入りましょう。
これまでのLessonでは、私たちは野菜と果物に関する全般的な知識と、個々の野菜と果物の栄養・それを生かす調理法やレシピについて学んできました。
また、前回のLessonでは日本の野菜事情について、ある程度の概観を把握していただけたかと思います。
今回のLessonでは、そのまとめとして、忙しい日常生活の中でどのように野菜や果物を食べていくべきか、という観点から役に立つ考え方を提供していきます。
現代人は忙しい
現代人は忙しく、自分の身体の健康さえ気遣えないような状況で生活している人もたくさんいらっしゃいます。

かつてのように、女性は結婚して専業主婦となり家全体を支えるといった家族形態が続いていたのであれば、栄養についても詳しい知識を持った奥さんが一家全員の食事をまとめて見るといったことも出来たかもしれません。父母の世代と同居していれば、親世代がともに働いていたとしても、祖父母が食事の面倒を見てくれるといったこともあったでしょう。
しかし、そういった家族観はもはやメジャーではありません。結婚しても男女共に働きに出るのはざらですし、野菜や果物の栄養に対する正しい知識や調理法が抜け落ちてしまっていることも稀ではありません。
そもそも一人暮らしや独居世帯が増え続けている今、自分の食事を自分で用意することさえ難しくなっていますから、野菜や果物の栄養素を効率よく、必要な分だけ摂取するのは簡単なことではありません。お金もかかりますし、調理に割く時間などどこにもないのです。
社会人の生活は?
たとえば、9時に働き始めて18時に仕事が終わる会社に勤めているとしましょう。
通勤形態にもよりますが、仮に通勤に1時間かかるとすれば、朝食は7時頃には食べ終えていなければなりません。昼休憩も1時間ほどしかないものと考えますと、適切に栄養を考えて食事内容を取捨選択するのは難しいでしょう。
また、18時頃に仕事が終わるとすると、家に帰るのは19時頃になります。ここから栄養に優れた野菜や果物を買い、調理に時間を割くと、ご飯を食べられるのは早くとも20時以降になってしまいます。
一見簡単そうに思えますが、これでは自由時間がありません。それに仕事が終わる時間は自分の意思だけで決められるわけではありませんし、朝にやりたいことだってたくさんあるでしょう。
そのような中、食事に十分な時間を割くのは並大抵のことではありませんし、朝は朝でご飯を作っている場合ではない、という人も多いのではないかと思います。
となると必然的に、朝はシリアルバーで、夜は牛丼屋や蕎麦屋で食事をといった形になりそうですが、それでは栄養が偏ってしまいます。
しかも、この生活は社会人としてはむしろさほど忙しくない部類に入るのです。
忙しい社会人になると……
世の中にはもっと時間のない生活をしている方もおり、そのような方に限って栄養が必要なのに足りていなかったり、食事を簡素なもので済ませたりすることが多いのです。
たとえばカルシウムをたくさん摂取すれば、せわしない状況や高ストレスを緩和することも出来そうなものですが、カルシウムの多い食材や吸収しやすくなる組み合わせを知らなければせっかくのチャンスを見失ってしまいます。
外食する時でも、何となく野菜を食べれば栄養が取れるのではないかと漠然と考える方も多いのですが、ただ単にサラダを食べたりしても状況が大きく改善されるわけではありません。サラダに含まれる野菜はほんの少量ですし、ビタミン類を効率的に摂るためには油や豚肉などと組み合わせる方が良い場合も少なくないのに、肉類は高コレステロールだからと避けてしまって勿体ないことになることもあるのです。
そこで、今回のLessonでは忙しい社会人が適切に栄養を摂取するための簡単なアドバイスをまとめていきます。