Lesson2-4 野菜や果物から摂取したい栄養素(1)

野菜や果物に含まれる栄養素

前回のLessonでは私たちが日常生活で無理なく摂取している栄養素について触れました。今回は「野菜や果物を食べることでどのような栄養素をたくさん摂取出来るか」という点に着目し、野菜や果物に豊富に含まれる栄養素について解説していきます。

ビタミン

ビタミンは身体の調子を整える栄養素だと言われています。その必要量自体はそう多くありませんが、そもそも摂取するのが難しく、また高温で調理すると壊れてしまうものも多いため、なかなか得難い栄養素であると言えるでしょう。

摂取しづらい理由は他にもあります。ビタミンには一部を除き「体内で合成できない」という特徴があります。それゆえ、食品やサプリメントから摂取しなければ必ず不足してしまいますので、野菜を意識的に食べることで不足しないようにしたいところです。

また、ビタミンは脂溶性のものと水溶性のものの二つに分かれています。

脂溶性ビタミンは油に溶けるため、脂質と一緒に摂取する必要があります。例えばみなさんは人参の油炒めを作ったことがあるでしょうか。目に良いと言われるビタミンAは脂溶性ですので、ビタミンAが豊富に含まれる人参を油で炒めてやると効率よく摂取できるようになる、というわけです。

逆に水溶性ビタミンは油ではなく水に溶けます。例えばみなさんが自販機で見るジュースの中には「ビタミンCを○○○○mg含んでいます」とうたっているものもありますよね? ビタミンCにも水溶性のものと脂溶性のものがありますが、水溶性のものなら缶ジュースに混ぜて売ることも出来るというわけです。

ありがちな誤解ですが、ジュースばかり飲んで「たくさんビタミンを摂取している」という気分になる人がいます。確かに水溶性ビタミンは摂取できているかもしれませんが、それでは脂溶性ビタミンが不足することになりかねません。ちゃんとビタミンにも様々な種類があることを知らないと、知らず知らずの内に栄養不足に陥る危険性があるのです。

野菜に含まれることの多い代表的なビタミンについて見ていきましょう。

ビタミンA

科学的にはレチノイドと呼ばれる物質です。ビタミンの中では脂溶性のものとして知られており、β-カロテンはそのビタミンAの前駆体(その物質が生成される前段階のもの)です。効果としては眼の明暗感知機能、上皮細胞(粘膜)の機能維持、がんの抑制などといったものが挙げられます。

脂溶性ビタミンなので油と一緒に摂取すれば良いのですが、過剰摂取が毒になることもあります。特にうなぎなどはビタミンAの過剰摂取につながる可能性が高いので、妊娠中はなるべく控える方がいいでしょう。一日の摂取量の目安としては、成人男性が850μgRAE、成人女性が650μgRAEと言われています。

ビタミンB1

ビタミンB1は水に溶ける水溶性ビタミンのひとつとして知られています。このビタミンが不足することで起こる病気としては、脚気(かっけ)などが有名でしょうか。ビタミンB1の豊富な玄米や雑穀ではなく白米を食べる人の多かった江戸を中心に発祥していたことから、江戸患いなどとも呼ばれていました。

糖質からのエネルギー産生や、皮膚・粘膜の健康維持に大きな力を発揮します。ビタミンB1の不足により糖質をエネルギーに変換し辛くなると、夏バテしたり、食欲がなくなったり、疲れやすい身体になったりします。

ビタミンB2

ビタミンB1同様水に溶ける水溶性ビタミンのひとつです。皮膚・粘膜の健康維持を助けたり、糖質や脂質、タンパク質などを体内でエネルギーに変換する代謝を支えるなどの重要なはたらきをしています。このビタミンB2が不足すると口内炎や肌荒れなどの症状が出てきます。

レバーや卵、大豆などに大量に含まれているため、たとえば毎日納豆卵ご飯を食べているような方であれば意識的に摂る必要はありません。

ビタミンC

脂溶性のものもありますが、ほとんどは水に溶ける水溶性のビタミンです。体細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質については名前を聞いたこともあるかと思いますが、ビタミンCはこのコラーゲンを生成する際に必要とされる成分です。

病気やストレスへの抵抗力を高めたり、鉄の吸収を良くしたりするのもこのビタミンCです。人間の体内で発生する有害な活性酸素に対する抗酸化作用もあり、動脈硬化や心疾患予防にも有効です。普段忙しかったり、辛い生活を送っている人ほど積極的にビタミンCを摂る必要があると言えるでしょう。

ビタミンD

ビタミンDは野菜にはあまり含まれていません。本講座ではあまり触れる機会がありませんが、キノコ類や魚介類に多く含まれていることを覚えておきましょう。これらと野菜を合わせて摂取することで不足分を補うことが出来ます。また、日光を浴びれば体内である程度合成できるのもビタミンDの特徴です。

脂溶性ビタミンですので、ビタミンA同様に油を使った料理を食べることで摂取しやすくなります。小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進したり、血液中のカルシウム濃度を調整して丈夫な骨をつくったりするのに一役買うので、成長中の子供には意識的に摂って欲しい栄養素と言えますね。

ビタミンE

アーモンドなどのナッツ類にたくさん含まれる脂溶性ビタミンです。抗酸化作用があり、体内の脂質が酸化するのを防ぐことで老化や生活習慣病の予防に高い効果を発揮します。

ビタミンA、C、Eの総称

ビタミンA、C、EとまとめてビタミンACE(エース)と総称することもあります。その活躍はまさにエース級で、これらのビタミンをバランス良く摂ると、活性酸素の弊害から私たちの身体を守ってくれるのです。

次回のLessonでは、ビタミン以外の栄養素について触れていきましょう。