Lesson10-6 さくらんぼ

宝石のような果物

生産者の間では「桜桃」と呼ばれ、一般的には「チェリー」などの名前でも呼ばれることのあるサクランボは、明治時代に入ってから欧州より渡来した外国産の木の実です。生産地は山形に集中しており、そのシェアはおよそ80%ほどです。

品種としては「佐藤錦」と呼ばれるものが有名です。日持ちのする「ナポレオン」と味の良い「黄玉」の掛け合わせにより生まれ、日本を代表する品種として認められるようになりました。国産品の旬は五月の下旬から夏頃までと短く、保存も効かない果物なので、収穫したものをなるべく早めにいただきましょう。

生で食べるのが基本ですが、カクテルに使われたりパフェにワンポイントで乗ったりと、その用途は様々です。デザートにいろどりを添えるならこれほど見た目に良い果物もありません。サクランボは高い値段で取引されることもあり、「赤い宝石」とも称されます。

栄養価

ヨーロッパでは古くから珍重されてきた果物です。糖質はもとよりカリウムやカロチンが豊富に含まれており、中でも100gあたり0.3mgにおよぶ鉄分含有量が果物の中でも群を抜いています。

鉄分不足からくる貧血やめまいといった症状は特に女性に見られがちです。サクランボは貧血気味の方の体調改善に大変効果的ですから、女性の味方となる果物と言えるでしょう。コーヒーや紅茶を何倍も飲むような人はミネラルが不足しがちになりますので、該当する方は積極的にサクランボを食べるべきです。

また日本産のサクランボはアメリカンチェリーのおよそ4倍に達するカロテン含有量を誇っており、これはりんごやももの4~5倍に匹敵する値です。カロテンの強い抗酸化作用は老化防止に効果がありますので、若々しい身体を保つためにも有益な果物と言えます。

もちろん食べ過ぎは厳禁ですが、サクランボは一度にたくさん食べられる果物ではありません。単純に一粒あたりの値段が高く、旬の時期も短く、食べる機会にはあまり恵まれないため、他の果物と同じように「食べ過ぎ」を意識する必要はほとんどありません。「さくらんぼ狩り」などの機会があれば、積極的に口にするとよいでしょう。

調理法

古い歴史を持つサクランボは、その旬の短さゆえか、生食のみならずお酒の原料としてに使われたり加工品として親しまれてきました。加工品としてはシロップやアルコールに漬けるマラスキーノチェリー、シロップで煮詰めて水分を飛ばしたドレインチェリー、ドレインチェリーに砂糖の結晶を付けたクリスタルチェリーなどが有名です。

サクランボを使ったお酒としては、梅酒のようなサクランボ酒が有名です。用意するものは丁寧に洗ったサクランボ1㎏と氷砂糖150g、それに1.8リットルのホワイトリカーだけでOKです。果実酒用のビンに氷砂糖とサクランボを折り重なるように入れ、ホワイトリカーを注いで冷暗所に3ヶ月~半年ほど置いておくと、それだけでおいしい果実酒が出来ます。

サクランボ酒は疲労回復や虚弱体質の改善に効果がありますので、薬用酒として適度に嗜みましょう。もちろん、お酒の飲み過ぎは厳禁ですよ。