しゃりしゃりとした食感が良い
中国を原産とする野生種「ヤマナシ」を基本主とし、種ごとに様々な広がりをもたせた栽培品種です。落葉果樹としては高さ15メートルにも及ぶほどで、晩夏から初冬にかけてりんごのような果実をつけます。

秋の味覚の中でも代表的なもので、その甘味としゃりしゃりした食感がなしの代名詞と言えます。日本では基本的に「和なし」と呼ばれるなしが栽培されていますが、他には縦長の洋梨や加工食品として使われる中国なしなどがあります。
なしの語源に関しては、
- 果肉がしろいから「中が白い」→なし
- 風があると実らない→風がなし
- 漢語の「梨子(らいし)」が転じて→なし
など、様々な説がありますが、正確な語源ははっきりとしていません。日本では弥生時代から栽培されており、江戸時代の頃には盛んに栽培が行われていたようです。
栄養素
なしには「プロテアーゼ」と呼ばれるタンパク質分解酵素が含まれています。したがって、すりおろしりんごとはまた異なる利用目的ですりおろして料理に使う場合があります。タンパク質の多過ぎる焼肉やプルコギを漬け込む時のタレに、このすりおろしたなしを使って肉を柔らかくすることがあります。
栄養学的にはそこまで価値が高い食品ではありません。含まれる水分も100gあたり88gと多めで、食物繊維やカリウムなどを目当てに食べるにしても、あくまでも他の野菜や果物の補助的な立ち位置の食品としてみた方が良いでしょう。疲労回復効果のあるアスパラギン酸も含まれていますが、これもそこまで含有量が多いわけではありません。
調理法
前述の「すりおろしなし」のような特殊な用途もありますが、りんご同様生のままいただくのが一般的です。皮を剥くにしてもりんごと同様に、中心部のタネをきちんとくり抜いていただくと美味です。
加工品として清涼飲料水や洋菓子に使われることがあり、またミックスフルーツとしてシロップ漬けにされて他の果物と抱き合わせで販売されることが多いのがなしの特徴です。洋梨はワインやブランデーに使われることもあります。お酒の原料としては、ぶどうほどではないものの、とても相性が良いのです。
和菓子や料理に使われることは滅多になく、なしの生産地では様々なメニューの開発が進んでもいるのですが、やはり生食が一番なのでしょうか、あまり普及しているとは言えないようです。